2019/04/01 格安交通手段「グレイハウンドバスは危険?」LAの旅プロが語ります
   
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    アメリカ長距離移動の交通手段の一つ『Greyhound Bus』は格安ということもあって、世界中の旅人にとって有力な選択肢の一つとなっています。
    しかし、気になるのがその安全性、飛行機に比べてはるかに安いのでそう心配になる方も多いでしょう。

    今回はロサンゼルスで宿を営む私が自分自身の経験と日本の宿泊者の方々の体験談を元に総合的に考えてみたいと思います。

    みんな「危険」って言うけど…

    グレイハウンドバスを調べると目に付くのが「危険だから日本人は避けた方がいい」といったネガティブな情報です。
    なので、これから利用する、もしくは検討しているという方にとっては非常に不安なことでしょう。

    また、「そんなことはない安全だ」という意見もあり、この賛否両論の状態がより悩ましくさせています。

    実際のところ、観光客にオススメかどうなのか気になるかと思いますが、今回LAの旅のプロである私が導き出した結論を出したいと思います。

    その結論は「観光客にはオススメしません」なのですが、一体何故なのか順を追って説明したい思います。

    そもそもどんなサービス?

    グレイハウンドをご存知のない方も多いかと思いますが、アメリカではかなり前からある長距離移動のバスサービスで、日本で言う「高速バス」をイメージして頂けたら簡単かと思いますが、その感覚のまま利用するとなると少し注意が必要かもしれません。

    客層や細かなサービスに小さくは無い差があり、またアメリカでは外国人である日本人の方が利用するのは事情が異なってきます。

    1番の売りは言わずもがなその値段です。通常、州を跨ぐような長距離移動は飛行機、人によっては自動車で行く方もおられるとかと思いますが、それらよりも圧倒的に安く、非常に魅力的です。

    しかし、それ以外のメリットは少なく、「時間がかかること」「座席に座ったままの長距離移動」など、利用する前から様々なデメリットを想像することは容易いはずです。

    それらを挙げていくとキリが無いのですが、重要なのがほぼ唯一のメリットの「安い」ということで、これはそれを目当てにする客層が中心ということを意味します。

    利用するのは苦学生だけでは無い、ということも想像しておかなければいけないでしょう。

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    個人的見解

    一時期、テキサスに住んでいた私はロサンゼルスへの往復をこのサービスは何度も利用しました。

    その中で、みなさんが危惧するような事件や事故に巻き込まれたことは一度もありませんし、生命の危機を感じるようなイベントもありませんでした。

    しかし、そんな私がなぜ観光客の方にオススメはしないのか。

    当時はお金もなかったので仕方なく利用をしていましたが、望んで利用したいと思えるような快適さはなく、今思い返しても一つも良い思い出はありません。

    これはバスそのものが、というよりも、当時そのバスを利用しないといけなかった状況が過酷だったせいもあるかもしれません。

    また、これは日本の高速バスも同じかと思いますが、同乗者によっても大きく左右されます。乗客にシャワーを浴びない方がいますと、かなり悲惨な体験になることも…

    当然、格安をウリにしていますので観光客の方に人気な一等地にステーションを用意することは考えられず、多くの乗車場は治安が良いとは言い切れない場所にあります。

    実際LAの場合、ダウンタウン7thの近くにありますが、最近再開発が進んで雰囲気がよくなってきたとはいえ、依然日本人観光客の方は夜のダウンタウンを避けるべきでしょう。

    この動画で紹介しているエリアですが、どういった雰囲気の場所にあるかお分りいただけるかと思います。

    この待合場にセキュリティやスタッフがいたとしても、そこにたどり着くまでの間や、目をつけられて乗車中や降車後に何かしらの被害を受けるリスクも考えられます。

    これらはあくまでも可能性の話であって、確実にそうなるか?ということではありません。実際、多くの方が今まで利用してきて、その大半は何事もなかったのではないでしょうか。

    しかし、その「万が一」に自分が遭うことを考えた時にリスクヘッジをしておくことは忘れてはいけません。

    私はプロの立場から、常々命に関わってくる部分、例えば「移動」と「滞在先」はなるべくお金をかけ、それ以外の部分を節約していく重要性を説いてきました。

    LAの安い宿は本当に地獄ですから、それでもロスを旅する日本人の方が経済的にも「安心」して泊まれる宿をつくりたい、と考えたのがこのイサオハウスの始まりでした。

    宿泊者の方に起きたトラブル

    依然、宿泊者の方でこのバスを利用してトラブルに遭ったという方がいました。

    正確に言いますと、そこでトラブルに巻き込まれたために予定していたように日本へ帰国することができなくなり、急遽当ゲストハウスに宿泊されたのです。

    彼は男性のひとり旅の方で、ラスベガスからロサンゼルスへ向かう便を利用していて、バス降車後に自分の持ち物がなくなっていることに気が付きました。

    その中にはパスポートも含まれており、その翌日に帰国する予定であったのですが、それもキャンセルをせざるを得ませんでした。

    直接、生命が脅かされたわけでは無いので、まだ不幸中の幸いですが、心地よいものではありません。また、予定が狂うと当然支出も増えるので、そうなるとせっかく格安のバスを利用した意味もなくなってしまうという恐ろしい事件です。

    なぜ賛否両論になるのか

    ネガティブな書き方ばかりしてしまったのですが、必ずしも肯定派の意見を否定するものではありません。

    客観性を保つためにも肯定派の意見も検証してみたいと思います。

    一番多いのは、その安全性の危惧に関して「自分が今まで利用してきて何も問題なかった」「現地ではみんな普通に利用している」という、自分の経験もしくは、現地で実際に暮らす方の意見でしょう。

    これ自体は私も否定する気は全くありませんが、もし彼らが一度でも事件に巻き込まれたり、もしくは誰かがそのようなケースに巻き込まれた話を聞いていたら、同じようなトーンでは言えないはずです。

    たまたま、そのような事件に遭遇しなかっただけかもしれません。

    繰り返しになってしまいますが、「絶対に危険な目に遇う」ということはありませんが、「絶対に危険な目に遭わないこと」は保証できる方は誰もいません。

    諸外国と比べて、安全で夜中でも女性一人で歩き回れると言われる日本ですら、毎年予期しないところで事件に巻き込まれているケースもありますし、「絶対」は存在し得ません。

    大事なのは、その確率を下げること。つまり危機管理能力なのです。

    現地の方で肯定派が多いのは、本当に自分の体験・経験からそう思っているからですが、彼らは観光客ではなく、もしかしたらもう日本的な感覚よりもアメリカ、現地人の感覚に近くなっていることもあります。

    現地の人からしてみれば、「これは危ない。避けよう」というちょっとしたことも初めてその土地を訪れた観光客には全くそう見えないこともあります。また、いざという時に英語で十分コミュニュケーション取れるかどうか、ということも無視してはいけません。

    あなたは観光客で、外国人な訳ですから、他の人と同じような景色を見ている感覚かもしれませんが、外の人はあなたを同じようには見ません。

    観光客、特に日本人(アジア人)は一般的にお金を持っていると思われているので、それだけでターゲットにされやすいのです。

    2mの大柄な現地人男性が利用するのと、小柄の日本人が利用するのではその被害に遭う可能性も変わることは想像していただけるかと思いますが、もし割と綺麗目な格好で、ブランド品を身につけて…となっていくと更にどうでしょうか。

    大事なのは「安全保証」ではなく「危機管理能力」

    おそらく大勢の方が求めているのは「安全ですか?」という問いに対して「安全だから全く利用して問題ないよ」もしくは「危険だから利用してはいけない」という明確な答えでしょうが、私は無責任な発言をしたくないので、しっかり説明させていただきました。

    先ほど、日本の例を出しましたが、「ここだから安心」というのはもはや通じなくなってきているように思います。

    一般的に治安が良いと言われる場所でも、すっかりガードを緩めた観光客をターゲットにした新しい犯罪の話も出てきています。

    大事なのは個々の危機管理能力です。

    それぞれの事情もあるでしょうから、どうしてもこういったサービスを利用する事があります。大事なのはよりそれらの危険性を回避して、自分自身で安全性を高める事です。

    「安全」はどこかに置いてあるものでも、誰かに用意されるものでもありません。自分で高めるものなのです。

    何事もなければ、かなりお得なグレイハウンドであることは間違いありません。

    対策:観光客」ではなく「現地人」なろう

    最初に「観光客」にオススメしないと言いましたが、その気持ちは全く揺らいでいません。ただ、この真意を少し説明させていただきますと、犯罪のターゲットになりやすい「観光客」ではなく、「現地人」になってみては?という提案でもあるのです。

    どういうことか言いますと、一番わかりやすいのが服装を見つめ直すことです。同じ日本人でも、観光客と現地で暮らしている日本人の違いは格好でわかってしまうくら歴然とした差があります。

    その結果、どうしても目立ってしまうので、まずはここから見直してみてはいかがでしょう。

    おしゃれをしたい気持ちはわかりますが、デザイナーズブランドのアイテムはもちろん、綺麗目な格好も抑えた方が良いです。

    私が利用していた当時は、本当にお金がなかったので小汚い格好で、それが功を奏して被害者にならなかっただけかもしれませんが、そこまでやらなくとも効果はあるかと思います。

    また、行動にもその差が生まれますので、ある程度予習をしておきましょう。「安全」と誰かに言われて、何も準備しないでいく姿勢自体が非常に隙があり、格好の餌食となってしまいます。

    こういう方は利用を考え直した方が良いかも

    ・若く見える(日本人で若く見えるのはアメリカでは子供に見える可能性も?)
    ・客観的に見て、弱々しく見える
    ・何かあった時に説明できる程度の英語力に自信がない
    ・短期間の旅行
    ・多額の現金、貴重品を所持していないといけない
    ・荷物が多い
    ・体調、体力に不安がある

    ロサンゼルスで利用する場合

    上記のように服装を当然のこと、利用する時間帯にも気をつけましょう。決して治安が良いエリアではないことを踏まえた上で、適切に行動する必要があります。

    可能ならば、待合場までUBERなどで直接乗り付けることも考えましょう。

    一人よりも、複数で利用した方が安心ですが、その際大声で日本語で談笑するのも避けたほうが良いです。とにかく目立たない事を考えましょう。

    乗車中も油断してはいけません。持ち物、特に貴重品は必ず自身のて届く範囲で管理し、片時も目を離さないようにしてください。

    また、いざという時に連絡が取れるように現地SIMフリーなどを契約しておいて、常に日本語で誰かに助けを呼べる環境も整えておくことも忘れてはいけません。

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    できる限りのことをやったらあとは運なので、もしかして途中で未曾有の大災害に見舞わられたりした場合はどうしようもないですが、乗車中も不安で不安でいるよりも、少しでも安心して向かう事ができるように対策は入念にしておいた方が移動中も楽しむ事ができる余裕が生まれますよ。

    正しく使えば、とてもお得なサービスなので、ぜひ入念な渡航計画を。

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