2020/01/06 LAの格安宿の真実「安い方が良い」は正しくないを論理的に説明します
   
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    年々宿泊費が高騰してきているロサンゼルス。もうそろそろ笑えなくなってきました。これは観光客だけに影響のある話ではなく、むしろロス市民の生活に深く関わる問題で、その背景には深刻な社会問題も絡んでいるだけに、今後真摯に(長期的に)向き合っていかなければなりません。

    個室一万円超が当たり前になりゆく一方、エクスペディアなどのサイトを見ると3000円を切る条件もチラホラ。今回はこの宿の正体について、説明します。

    値段もピンキリ。ロサンゼルスのホテル事情

    観光都市ということもあって、宿の数もさることながら、その価格帯もかなりの幅があります。一泊10万円を超えるようなお部屋は全ての人が求めている訳ではないでしょうが、値段という指標だけではどの宿に自分が泊まるべきなのか、という判断が非常に難しいのが現状です。

    となると、予算も限られていますし、「どうせ寝るだけなら…」と、この宿泊費をとにかく抑えようとしてしまうのは当然の結果かもしれません。

    しかし、結論から言ってしまうと、この考えは危険で、海外旅行の拠点である「滞在先」は異国の地で最も安心できる場所でなければなりません。

    極端な話、路上でスリに遭おうが、強盗から命からがら逃げてこようが、宿にさえ戻れば、リセットできるような安心感が必要なのです。

    では、その安心感はいくらから提供できるか?

    私達は過去に日本人宿だけでなく、様々なロケーションでゲストハウスを運営した結果、一つの指標として$60という値段が導き出されました。

    安心はお金で買える?

    「安心感」の話をしているのに、全く宿のサービスや造りに触れていませんが、これには明確な理由があります。

    もちろん、ふかふかのベッドや、清掃の行き届いた清潔感の空間も安心感を与えるための重要な要素です。これらのホテルの質を左右する要素はある程度の条件をクリアしているという前提で、さらに、値段によって劇的な違いが生まれます。

    かつて、民泊サービス「Air B&B(エアビーアンドビー)」で部屋を貸し出していた時に、実験がてら何軒かのロケーションで一日単位で値段を変更し、客層がどう変わるかテストを繰り返しました。

    通常$40で提供している部屋を、$30にしてみたり、または$50にしてみたり。これを違うロケーションでも同じ条件で繰り返すと、わかりやすい変化が出ました。

    $50の場合、ロサンゼルスで個室がこの値段もはっきり言うとかなりお得なので、シーズンじゃなくても結構問い合わせが来ます。

    ただし、大型のホテルみたいに部屋数が多い訳ではないので、部屋と日程のアレンジが難しく、基本先着順で問い合わせのあったお客様から予約を埋めていくので、どうしても一日だけポッカリ開いてしまう日が生まれてしまいます。

    流石に、滞在中にコロコロ宿を変えたくないので、こうしてポツンと開いてしまった日はもう空室のままになってしまうのが我々の業界では普通です。

    その一方で$30を切るような値段、例えば$29で出すと、当日であっても瞬く間に空室が埋まってしまいます。ポツンと1日開いてしまった観光客の方には不便なアレンジの部屋でも、です。

    宿は観光客だけのものではない

    もちろん同じサービスであれば、安いに越したことがないのは間違いありません。しかし、ここで大事なのはどういった方々がその部屋を利用されるか、です。

    宿泊施設と言いますと、観光客などの外から来た人のためものと思われがちですが、そうとは限りません。現在のロサンゼルスは家賃が高騰し、市民ですら住む場所に苦労をしています。
    家賃が高いだけでは無く、アパートの契約はハードルが高く、誰もができるものではありません。なので、賃貸契約の必要がない宿を転々とする生活をしている方もいます。

    また、普段は路上生活で、たまに宿に泊まる、という方もいるでしょう。その時にどうしても発生してしまう問題が、「観光客」と「そうでない方」との生活習慣の違いによる軋轢です。

    特に多い問題が、共有スペースの使い方と臭いの問題です。共有スペースでの他のお客様とのコミュニケーションはゲストハウスの魅力でもありますが、人間と人間との相性もありますので、必ずしも良いものとは限りません。もちろん、ネガティブなもの以上に素敵な出会いがある訳ですから、私たちも頑なにこの共有スペースを設けている訳です。

    最低限、個室であれば、共有空間に問題があっても自分の部屋で過ごすことができるのですが、もし、これがドミトリータイプの、一部屋に二段ベッドを詰め込むような宿であると、落ち着く暇はありません。

    特に一部屋に何人も共有するドミトリータイプは、空調も行き届かないことに加え、それぞれの体臭が入り混じり、クレームにも繋がります。
    文化や生活習慣によっては、毎日シャワーを浴びるばかりの人とは限らず、時に寝ることも困難なほどに悩ましい問題に発展することもあるのです。

    これが収益性を捨ててまでも、我々がプライベートルームの宿にこだわる大きな理由でもあります。

    格安宿というのはこの「安心感」を切り捨てた値段であって、結局値段相応ということなのです。決して、倍の値段するような宿が「贅沢」な訳ではありません。結局、払って値段のものしか受け取れないようになっているのです。

    「安い方が良い」は間違い

    語弊がないように言いたいのですが、決して宿泊者の方を差別する訳では無く、それぞれ事情も利用目的が違う訳ですから、その用途によって区別し、宿の環境をデザインする方がお互いにとって良いのです。

    財政事情に苦しんでいる方が、観光に来て楽しんでいる方と心から一緒に楽しめるか、は難しいところであります。人間ですから、様々な感情が生まれるでしょうし、何よりも観光客同士の方が、おすすめ観光情報の共有や、一緒に観光するなどの関係性も築きやすいのです。

    この環境は値段で大きくデザインされます。大抵の方は、そのエリアの平均や内装や設備、サービスにかかる費用で宿の宿泊費が決まると考えている方が多いのですが、そうではありません。どういう宿の環境を整えたいかというところから、大体の価格設定が始まります。

    宿の値段でどういう客層をターゲットにしているか、どのような空間を築きたいのか、そのビジネス側のメッセージを理解することができます。

    つまり、観光客の方が一泊$30の宿を見つけて「ラッキー」と思って行くのは、ビジネス側が発しているメッセージとは異なるので、実際に訪れた際に「自分が期待したもの」と「ビジネス側が提供するもの」に錯誤が生じ、誰も得しないクレーム騒動に発展します。

    宿泊費は単純に「安い」「高い」の指標だけでは無くて、宿側のメッセージを汲み取る大事な要素でもある訳です。セレブが泊まるような超高級ホテルが、間違っても出血大サービスで$30になるということはない(セレブ向けに無料の宿泊オファーがありますが)というのが事実なのです。

    私が考える「旅行を楽しみたい観光客の方」向けの宿は、$60が一つの指標になります。こちらを基準にエリアを考慮して、宿を探す際の参考にしていただけたらと思います。

    なので、私たちは極端に安い値段のお部屋を用意しませんし、もし、格安な宿を探しているというのであれば、他の場所を検討してみる方がお互いにとって良い結果になるかもしれないのです。大抵の宿トラブルはこういったお互いのずれから生じることが多いですから。

    宿側のメッセージを誤って読み解くとこうなる

    もちろん、上記のような観光客の方が$30以下の激安宿に予約して、実際に宿泊することはもちろん可能です。
    ただ、その際にあちらが想定している客層とは違うことがありますので、その環境に満足することができない。結果、部屋を出ないといけない羽目になることも考えないリスクが上昇します。

    例えば、$30の部屋では「ルームメイトの体臭が気になるから追い出してくれ」と主張を通すことは出来ませんので、その宿を出ることになるのはあなたになってしまいます。その場合、新たに宿を探すという余計な費用と宿がない状態というリスクが生じることを考慮しましょう。

    もし、それを避けたければ、最初から「正規」の値段を払って、「観光客」向けの宿に泊まらないといけないのです。

    宿側からしてみると、宿泊費$30で、「鏡にヒビが入っている」とか「窓に蜘蛛の巣が張っている」などとクレームを入れられようものなら、「だったら、なんでちゃんとしたところに行かないんだ」とお客さんとの軋轢が生じます。

    この際、ビジネスサイドの怠慢とか、商機を逃している点は置いておいて、観光客とビジネス側がよりヘルシーな関係を築くことこそ、旅を楽しむ秘訣なのです。トラブルはないに越したことありません。

    宿の値段を「安い」「高い」でしか見てませんか?

    一泊数万円もするホテルもたくさんあるロサンゼルスで格安宿をやる理由を考えてみましょう。この時に注意しないといけないのが、大抵の格安宿のオーナーは決して「日本人観光客の方に心からロサンゼルスを安く楽しんでもらいたい」と考えている方はいない、ということです。

    「何故、その値段で宿を運営できるのか」というビジネス目線で考えることは、良いお部屋探しをするのに役立ちます。

    例えば、安い宿のケースで言うとこのようなケースもあります。

    初めてのロス旅行は「ハリウッド」の名がつくホテルに気をつけよ

    「ハリウッドで、この部屋のクオリティで、この値段はおかしい」というものでしたが、蓋を開けてみれば、「ハリウッド」という名前は付いているが、全く場所の違う、移動手段で自動車をお持ちの方にはリーズナブルなホテルだった、というものです。

    値段をみて、「安い」と反射的に飛びついてしまうと思わぬ事故を起こしてしまうわけですが、ビジネス目線で「おかしい」と気付ければ、こういったトラブルは避けられるのです。

    逆に高くつく場合も

    いざ実際に宿に向かってみると想像していなかったお部屋が用意されていて、これが我慢出来る程度であれば良いのですが、「匂いがキツい」「イビキがうるさい」といった我慢ができないレベルで、そちらを諦めて宿を抜け出すケースが少なくありません。

    我々のところによく当日問い合わせがよく来るのですが、「既にロサンゼルスに来てるのに何故宿を探しているのだろう」と不思議に思っていて、その理由を訊かせていただくと、この「予約していた宿をキャンセルして来た」という方が非常に多いのです。

    キャンセルと言っても、当日の「お客様事由」によるものなので、返金はもちろん期待できません。また、観光シーズンになりますと空室がない状況も珍しくありませんが、ロサンゼルスに限らず宿がない状態というのはとても危険です。

    「LAで宿泊せずに朝まで過ごせる場所は?」野宿は絶対にやめよう

    実際、我々がご用意できるお部屋も数に限りがありますので、当日の問い合わせは断るケースも少なくありません。その場合、毎回申し訳ない思いと、心配でお部屋を探す手伝いをさせていただいておりますが、できることならば、事前に知識を蓄えて正しいお部屋さえ選んで欲しいのです。

    せっかく格安のお部屋を予約しても、そこをキャンセルして、もう一部屋を予約すると高級ホテルにも匹敵する値段になり兼ねません。
    我々のお部屋はロサンゼルスで最も安いお部屋ではありませんが、日本人観光客にとって最もリーズナブルなお部屋であることは自信を持っております。

    正しい場所に泊まろう

    今回はあまり話すべきでない宿運営側の事情も話をしましたが、これはつまり、観光客の方に正しい宿を選んで欲しいという想いでもあります。
    ロサンゼルスで、宿がない状態は非常に危険で、せっかくロスを楽しもうと来てくださった方々の計画が台無しになるのは私たちの本意ではありません。

    特に夜遅くまで出歩けないロサンゼルスでは、いかに宿が落ち着く環境であるかが大事です。

    日本では、なかなか実感がわかないかもしれませんが、数ドル違うだけで客層がガラッと変わるのは、私はこのビジネスを始めて驚いたことの一つでもあります。

    ある程度連泊しますと、それなりの金額になりますので、少しでも安く抑えたいという思いもわかりますが、食費など真っ先に支出を抑える項目が他にあります。そういったところで工夫して行くと、より素晴らしい旅行になりますよ!

    もし、宿探しが不安な方はいつでもご相談ください。当ゲストハウスだけでなく、ロサンゼルスの様々なホテルや宿泊施設のご紹介も可能です。

    長くなってしまいましたが、本日もお付き合いありがとうございました。

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