2020/03/02 安全?LAの格安ドミトリー宿の実態と私達が個室に固執する理由
   
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    ここ最近のホテル代の値上がりは観光客だけではなく、ロサンゼルスに暮らす市民の人にまで大きな影響を与えているという話は何度か記事中でお話しさせて頂きました。値段と比例するように、非常に悪質な、もう詐欺と言っても良い宿の危険性も上がってきましたが、詐欺とは言わないまでも劣悪な環境の宿も増えてきた今、古くから「格安宿」の代名詞でもあったドミトリータイプの宿の現状が気になる方も多いでしょう。今回はその実態に深く迫っていきたいと思います。

    当日キャンセル、その理由は?

    おかげさまで問い合わせのない日がないほど、ロサンゼルスでは認知されてきたイサオハウスですが、数ある問い合わせの中でも特に注意して対応しているのが「当日お問い合わせ」です。

    なぜなら、当日問い合わせするいうことは、「すでにロサンゼルスにいながら、宿が決まっていない」という非常に危険な状態だからです。ここロスでは漫画喫茶のような個室で仮眠が取れるような場所がなければ、夜を明かせるような公共の場はありません(駅で一夜を明かそうとしないでください)。

    「LAで宿泊せずに朝まで過ごせる場所は?」野宿は絶対にやめよう

    夜は必ず、安全な滞在先でゆっくりする。これは観光客だけでなく、ここに暮らすロサンゼルス市民においても鉄則なのです。

    そんな危険な「当日お問い合わせ」は宿がないというシンプルな理由だけでなく、複雑な事情が絡んでいることが多く、場合によっては生命の危機にも関わります。なので、早急に宿の手配をするだけでなく、その事情を聞くように心がけています。

    格安の宿「ドミトリー」とは?

    そんな中、また当日お問い合わせを頂きました。

    ちなみに「ドミトリーホテル」というのは、一つの部屋に何人もの人と相部屋になるタイプのお部屋で、完全にプライベートな個室な宿よりも宿泊費が安いメリットがあり、バックパッカーの方達に人気のタイプのお宿です。

    多くの方がロサンゼルスの宿泊費の高さに驚かれるのですが、日本の宿泊費と近い金額で泊まれるこのような選択肢は非常に魅力的に映るでしょう。場所によっては普通の宿の1/3の値段のところも珍しくありません。私が泊まりたいくらいですね。

    プライバシーの関係で写真はモザイクをかけさせて頂きますが、雰囲気を感じていただければ幸いです。

    ただ、「全ての人向けの完璧な選択肢」というわけではないので、しっかりとその特徴、メリットとデメリットを踏まえた上で、自分がその恩恵を受けられる人物かどうかを理解することがお客様だけでなく、そしてドミトリー運営者の方にとってもプラスになります。

    チェックインのタイミングで「自分が思っていたものと違う」ということになりますと、双方納得のいく解決策を導き出すことは難しいですからね。

    圧倒的な低価格

    まず、ドミトリーの存在意義かつ、最大のメリットが「低価格」。後述しますが、これ以外のことを期待しないことが大事です。

    寝る場所まで相部屋ですので、プライベートな空間は限られていて、自分のベッド部分に仕切りが無いようなドミトリーですと、ほぼプライベートが無いと言っても過言ではないでしょう。

    また、宿によっては貴重品を管理できる場所はおろか、自分の荷物を置くようにデザインされたスペースが用意されていないような宿もありますので、貴重品は必ず手放してはいけません。

    基本的に個室に二段ベッドを詰め込んだような場所が多いですが、もともと他人数で暮らすことをデザインされた部屋ではないような場所もあり、換気はもちろんのこと、火事などの災害の際の安全性が気になるところもあります。

    もし利用されることがある場合は、この辺りもしっかり確認しましょう。

    隣人に気をつけよう

    先に少し述べましたが、ドミトリーで大事なのは「値段」以外に期待しないことです。例えば、宿泊者同士の交流など最初から期待して予約する方もおられるかと思いますが、少し残念な現実を突きつけなければならないでしょう。

    必然的に共有のスペースが多いドミトリーでは、他の宿泊者の存在を感じずに過ごすことは無理です。唯一の自分だけの場所「ベッド」であっても、あなたの上で誰かが寝返りをする音に悩まされることだってあります。

    その宿での宿泊体験は、単純に立地条件やそこの設備だけでなく、その時たまたま空間を共にした他の宿泊者の方によっても評価が変わってきます。

    観光地からアクセスが良く、施設も綺麗。そして、価格が安い、とそこの宿自体が最高の環境であっても、自分の隣のベッドの方が、夜中に大音量で動画を見るような方であれば、一気に最悪な体験となってしまいます。実際、ドミトリーを当日キャンセルされる方の大半が施設自体よりも、泊まっているお客様とのトラブルが原因の方が非常に多いです。

    喋り声やイビキなどの騒音問題や、体臭はよく聞く話ですが、運営側もこれらを理由に宿泊者の方を追い出すことは難しく、我慢できないような場合は被害者であるあなたが出ていかなければいけない理不尽な自体も普通にあり得るのです。

    この辺りはどうコントロールもできないギャンブルなので、利用する際にはこの辺りのリスクも考慮しておきましょう。

    多くを期待していけない

    そんな注意すべき隣人の存在ですが、ドミトリーによってはあたかも「ナイスガイな世界の友人たちがあなたとリビングルームで会話するのを心待ちにしている」的な宣伝メッセージを送っているところもあります。

    ドミトリーの弱点である「注意すべき隣人」が宣伝材料になれば、観光客への大きな訴求効果が期待できます。

    普通のホテルと違い、他の宿泊者と接する機会が多く、確かに会話になるチャンスはあるかもしれませんが、そこに価値を感じて、予約の決め手にするのは非常に危険です。

    確かにそこでの一期一会的出会いを期待して、会話を楽しみたいという方もいるかもしれませんが、大抵の方はその観光地に観光に来ているのであって、あなたと会話をしに来ているわけではありません。

    これは私の過去の経験と今まで対応したお客様の体験を総合した上での話ですが、基本的に英語圏やヨーロッパ圏の方が固まって、日本人がその中に付け入る隙はなかなかありません。あなたが英語が堪能だとしても難しいものがあるでしょう。

    居場所のなくなった日本人の方は、しょうがなく自分のベッドで大半を過ごす羽目になるのですが、決して広くも快適ではない場所に常に横になって、やっと落ち着けるかと思ったら、リビングから戻ってきた集団が寝室でも会話を続けるのです。

    このような画を想像するのは難しくないでしょう。

    夜中に観光客が出歩くのが大変なアメリカでは、どうしても日が暮れてからの宿での滞在時間が長くなってしまいます。しかし、唯一の自分だけの空間でもくつろげない状態は、精神的にも体力的にもあなたの体力を奪うのです。

    私たちのゲストハウスでも宿泊者同士の方の交流をうたっていますが、それは個室という自分だけの空間が担保されて、初めて可能になっていると感じています。お客様同士の相性もありますから、無理に交流をする必要がない時は自分の部屋で一人寛ぐことが必要なのです。

    また、過去の経験から、個人の価値観を超えた文化レベル的な問題での宿泊者同士のトラブルも見てきましたので、一番宿泊者同士の間で安心な環境にするには日本人をメインとした日本人宿の運営、という形にたどり着いたのがこのISAO HOUSEの始まりでもあります。

    こんな方にドミトリーがおすすめ

    そんな利用者を選ぶドミトリータイプの宿ですが、やはりオススメはお一人のバックパッカー旅での利用です。

    ここでの「バックパッカー」と言うのは所謂、通常の一週間程度の滞在期間の観光客とは違って、ある程度中長期間滞在する旅そのものの体験に価値を見出している方達です。

    通常の観光客よりかは行程に余裕があり、予期せぬアクシデントも体験の一つとして楽しめるでしょうし、何よりも宿泊費という大きな出費を抑えられることはメリットです。

    それにこのようなドミトリーを利用する多くの方が実際、世界中からのバックパッカーであることが多いので、日本人であっても目立たなくなるというばかりではなく、バックパッカー同士会話が盛り上がるということもあるかもしれません。期待してはいけませんが。

    バックパッカーであっても、二人以上であれば、もう個室を取ってしまった方が良いでしょう。ドミトリーは一人当たりの請求ですが、ロサンゼルスの大抵の宿は一部屋あたりの請求なので、複数人利用でさらに良い環境を、はるかに安い料金で泊まれる可能性があります。

    こんな方にはオススメしない

    一週間程度の短期間の滞在であれば、お一人でもドミトリーの利用はなるべく避けた方がいいでしょう。

    何故ならば、短期間の観光客は、この旅程中にたくさんのスポットを訪れようと予定を詰める傾向があり、とにかく疲労が溜まります。唯一、心休まる場所が宿なのですが、そこでも休めないとなると、体力に支障を来し、スケジュールを狂わす可能性が大いにあります。

    また、「同室の方の体臭やいびきが我慢できない」と、当日になって違う宿を探し始めると1日の予定が簡単に狂います。また、余計な出費がかかり、かえって高くつくだけではなく、当日でも安心して寝泊まりできる保証がないことは海外ではとても危険です。

    学生旅行の方ですと、予算にも都合があることはこちらも十分承知していますが、利用は極力避けた方が良いでしょう。日本人の学生というのは外国人からしますと、自分たちが思っている以上に無防備な存在で、狙われやすいです。

    特に学生にも関わらず、財布やカバンが高級デザイナーズブランドものであったり、というのは日本では珍しいことではありませんが、海外では異様に映ります。また、そのような方達が格安宿に泊まっている「異常性」は彼らに間違ったメッセージを伝えかねません。

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    そもそも、学生旅行は学生時代の友達との掛け替えのない時間を一緒に過ごすことが大切なので、観光を終えて宿に戻ってきた時には心置きなく部屋でその日楽しかったことや明日の予定など、会話を大いに楽しんで欲しいです。ドミトリーでは、なかなか周りを気にしないで会話を楽しむことも難しかったりするので。

    大手サイトだからと安心はできない

    場所によっては、30人ほどで一つのバスルームをシェアしているところもあり「朝のラッシュ時はどうなってしまうのか」と同じく宿を経営している身から心配になってしまうのですが、このようなビジネスは大手旅行サイトにも普通にリスティングされているので、値段ばかり見ていると、引っかかってしまう方も少なくありません。

    去年の夏の話ですが、Air B&Bで予約した宿にチェックインしようとしていた日本人観光客がメールでもらった住所に向かうと普通のアパートで、英語で書かれた部屋への入り方がわからず、入り口をガチャガチャしていたところをアパートのセキュリティに見つかり、問いただされました。

    エアビーで予約した宿にチェックインすることを告げると、「このアパートは民泊は許可していない」と違法に運営されたことが発覚、そのホストは解約されて、宿泊費も返ってきましたが、それだけの問題ではありません。急に宿がなくなり、なんとか代わりの宿を探そうと日本のエアビーに代替の宿の提案を求めるも、アメリカ国外からそれ以上の対応はしてもらえず、代わりに次回使える割引券をもらっただけでした。

    ちょうど、この方から連絡をいただいた時に、我々のお宿にその日だけ一部屋空いていましたので、その部屋にご案内、その間に翌日からのお部屋探しのお手伝いをさせていただけたので良かったですが、不要な当日の宿探しで、その方の旅行の予定は大きく変更せざるを得ませんでした。

    オンライン宿泊予約サイトもエアビーも大変素晴らしいサービスで私も利用させて頂いていますが、一つ注意しなければいけないのは、そのリスティングにある宿はプラットフォーム運営会社からの完全にチェック、管理されているわけではないということです。つまり、素晴らしいサイトにもこのような悪質な宿が存在するということで、大手サイトで予約したら安全、ということはないのです。

    条件やポリシーはそれぞれの宿によって異なることが殆どですので、必ず規約を確認しましょう。また、その宿のレビューを確認することも大事です。

    ちなみに弊社のレビューは下記リンクから確認できます。よろしければ、ご参照ください。

    イサオハウスの口コミを見る

    良いドミトリーと悪いドミトリーを見極めよう

    私が個人的に利用したい思えるドミトリー宿も存在します。観光都市ロサンゼルスにおいては、それこそスタイル、価格帯、ロケーションの違いだけでも多くの選択肢が存在しますが、その個人的な好みを超えたところで、「良い」「悪い」ドミトリーがあるのです。

    「良い」店舗は、確かに相部屋という形はとれど、それは利用者の宿泊費を抑えることが目的で、細かい部分の思いやりを感じられ、細部に至るところもしっかり相部屋で運営されているようにデザインされています。

    一方で「悪い」店舗は利用者のことではなく、採算重視で、そこでの利用者のことは後回しにされているようなものです。先にも述べましたような、30人で一つのバスルームをシェアするような環境や、そもそも運営許可を取っていない場所も存在します。

    そのような場所は、値段をウリにしているところが多いですが、安全性がないがしろにされている可能性もありますので、火災などの災害を他人事とはおもわず、最低限これら直接生命に関わってくる部分の安全性の確認はとりましょう。

    自分の身を安全に休めるための場所で、自分の身を危険に晒してしまったら、元も子もないですから。

    宿泊も立派な観光体験

    宿オーナーとして皆さんに知って頂きたいのが、「宿泊も立派な観光体験」であるということです。確かに、旅行で大きな支出となる宿泊費は一番最初に抑えようとするのは当然でしょう。確かに「寝る」だけの場所に一泊何万円も使うのは高いという感覚は間違ってはいません。

    ただ、宿には「寝る」以上の体験すべき価値があり、それは外にある観光スポットと同じように魅力的なものなのです。また、命の安全にも直結しかねない滞在先は、海外のあなたのお家なのです。

    この機会に、滞在先は真っ先に節約すべき存在という認識ではなく、コスト/安全性/体験という様々な要素から、自分に適した場所を選べる選択の余地が多い、立派な観光体験の一つ、という認識を持っていただけたら幸いです。

    せっかくの観光にも関わらず、安く済ませようとした宿が原因で、観光を台無しにされた話は私の所にも嫌なほど問い合わせで頂いて、その話を聞く度に心が痛いです。

    当ゲストハウスご利用だけではなく、ロサンゼルスのホテル探しのお手伝い、予約した滞在先の安全確認なども行なっておりますので、お気軽にご相談ください。

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